2003年クラシック世代のGI候補生たち(牝馬編)

[Notes]

桜花賞TR・フィリーズレビュー(GII)3着で桜花賞出走権利を得ました、レイナワルツ。

レイナワルツの最優性先祖は祖母父ニホンピロウイナー、形相の対象は母レイナロバリーと判断しました。ニホンピロウイナーは現役時代に中央で26戦16勝、2着3回、3着1回。その主な勝ち鞍に、安田記念(GI)、マイルCS(GI)2回、マイラーズC(GII)、スワンS(GII)、京王杯SC(GII)、デイリー杯3歳S(現デイリー杯2歳S、GII)、CBC賞(現GII)、きさらぎ賞(現GIII)、朝日CC(GIII)があります。1984年の競馬番組改正による短距離路線の充実化に合わせて、キラ星のように現れた『時代の申し子』でした。また、現役最終シーズンとなった5歳秋には、果敢に天皇賞路線に挑み、毎日王冠(GII)4着、天皇賞・秋(GI)3着同着と、勝ち切れなかったものの好戦しました。引退後は下河辺牧場で種牡馬入りし、活躍馬を輩出し続けています。その代表産駒には、天皇賞・秋 、安田記念2回とGI3勝を挙げたヤマニンゼファー(1988.5.27)、スプリンターズS(GI)と高松宮杯(現高松宮記念、GI)を制したフラワーパーク(1992.5.8)、マイラーズC(GII)とCBC賞(GII)を勝ったニホンピロプリンス(1989.5.28)、CBC賞(GII)と阪急杯(GIII)を勝ったトーワウィナー(1990.3.19)、愛知杯(GIII)と中日新聞杯(GIII)2回を制した『中京の鬼』ファンドリショウリ(1991.5.15)、北九州記念(GIII)の勝ち馬ダンディコマンド(1993.4.12)、東京新聞杯(GIII)の勝ち馬ホリノウイナー(1987.4.14)、京都4歳特別(GIII)の勝ち馬ニホンピロエイブル(1987.3.26)、そして満18歳の交配で送り込んだ『異才』メガスターダム(1999.4.2)などがいます。メガスターダムの菊花賞(GI)での頑張りには感動しましたね。まさかニホンピロウイナーの仔が菊花賞で3着するなんて。普通、産駒の「活躍の場」というのは、種牡馬の老齢化から来る活力の低下により、「短距離戦」「ダート戦」に移行していくものです。晩年になって長距離をこなす産駒が出たということ。これは、やはり小林百太郎オーナーの見識によるところが大きいと思います。彼はニホンピロウイナーの体調を思い、1シーズンの種付けは60頭までと決めていらっしゃったそうです。調べてみたところ、余勢を含めても、年間65頭が最高の種付け頭数でした。今年1月にシンジケート解散が報じられたニホンピロウイナーですが、まだまだ良駒を出す可能性はあると思います。満23歳時交配となる今年と、満24歳時交配となる来年。種付け頭数が減った時、それは新たな大物が出る時なのかもしれません。

レイナワルツの牝系は、3号族フロリースカップ系の第三スターリングモア(1944.4.14)〜トサモアー(1953.4.14)の分枝。半姉に紅梅S(OP)を勝ったグランドレイナ(1998.4.10)がいます。幸い、前週同牝系のオースミハルカ(2000.4.2)がチューリップ賞(GIII)を勝ってくれたため、近親牝系図には事欠きません。では、相変わらずの↓コピー&ペーストをお楽しみください。

トサモアー　1953.4.14　中央14勝　最優秀2歳牝馬
｜モンテホープ　1960　中央5勝
｜｜リキエイカン　1966.4.5　中央13勝　天皇賞・春(現GI)など重賞3勝
｜｜ヤマニサクラ　1967.3.29　中央3勝
｜｜｜ウーマンパワー　1979.5.24　中央4勝
｜｜｜｜インターボイジャー　1987.5.7　中央4勝(平地2勝+障害2勝)　札幌3歳S(GIII)
｜｜｜｜グランドウイナー　1988.6.9　中央2勝
｜｜｜｜｜レイナロバリー　1992.5.29　中央1勝　エルフィンS(OP)3着
｜｜｜｜｜｜グランドレイナ　1998.4.10　中央2勝　紅梅S(OP)
｜｜｜｜｜｜レイナワルツ　2000.4.25　(本馬)
｜｜｜ナムラピアリス　1984.5.24　不出走
｜｜｜｜オイスターチケット　1998.3.27　中央2勝　すずらん賞(OP)
｜｜エリモテル　1969　中央0勝
｜｜｜メイショウロマン　1982.5.18　中央3勝
｜｜｜｜ファンドリロバリー　1993.5.13　中央9勝(平地5勝+障害4勝)　阪神スプリングジャンプ(J・GII)　福島記念(GIII)2着
｜｜トーエイプリンセス　1973　中央2勝
｜｜｜｜テイエムメガトン　1994.5.8　中央3勝+地方2勝　ダービーグランプリ(統一GI)　グランシャリオカップ(統一GIII)
｜｜サリュウコバン　1974　中央0勝
｜｜｜スズカコバン　1980.3.16　中央7勝　宝塚記念(GI)など重賞4勝
｜ソロモン　1963.3.24　中央4勝+地方1勝　第33回日本ダービー2着
｜ブロードウェー　1966　中央3勝
｜｜ロイヤルミラー　1973　中央0勝	
｜｜｜タカノオーヒメ　1989.6.14　中央0勝
｜｜｜｜ルスナイクリスティ　1998.4.28　現役　ファルコンS(GIII)
｜カコガワクイン　1968　中央6勝　阪神牝馬特別2着
｜｜シヤークカコガワ　1973　不出走
｜｜｜ヤエノダイヤ　1985.4.2　中央4勝　神戸新聞杯(GII)
｜｜シヤークテイム　1975　中央8勝　阪神牝馬特別2着
｜｜｜スプリングシヤトー　1983.4.18　中央0勝　
｜｜｜｜ポジー　1990.3.10　中央9勝　オープン特別3勝　天皇賞・秋(GI)5着
｜ランズプロント　1974.4.13　中央0勝
｜｜ヤエシオ　1983.4.18　中央3勝　すみれS(OP)
｜｜カガミセンカ　1989.4.3　中央2勝　4歳牝馬特別(GII、現フローラS)2着
｜｜ホッコーオウカ　1993.4.9　中央0勝
｜｜｜オースミエルスト　1999.4.8　現役　小倉2歳S(GIII)2着
｜｜｜オースミハルカ　2000.4.2　現役　チューリップ賞(GIII)

血統からは、やはり桜花賞が勝負でしょう。レイナワルツ、果たしてその挑戦の結果やいかに。楽しみにしましょう。