マイネルコンドル  [ Home >> B&B >> 2000年クラシック牡馬編 ]

2000年のクラシック候補生たちを中島理論的に分析していこうという企画です。
第17回目の今回は札幌3歳S(GIII)の勝ち馬、マイネルコンドル号を分析してみましょう。

以下の文章中、マイネルコンドルは本馬と称します。4代血統構成において父は壱、母父は弐、祖母父は参、曾祖母父は四と表します。


マイネルコンドル   牡   黒鹿毛   1997.4.30生   美浦・相沢郁厩舎   Family No.21-A

[戦績]
札幌3歳S(GIII)1着。3月10日の時点で5戦2勝。

[血統]
父は米国産ロドリゴデトリアーノ(1989)。同馬の主な勝ち鞍に英2000ギニー(GI)、愛2000ギニー(GI)、チャンピオンS(GI)、英インターナショナルS(GI)、ミドルパークS(GI)等。通算13戦9勝。本馬は父の2頭目の重賞勝ち馬で、4年度産駒。父の他の代表産駒にオークス(GI)の勝ち馬エリモエクセル(1995.5.18)等。

母はビッグコンドル(1981)。同馬は競走馬として不出走。本馬は母の9番仔。本馬の兄に関西の準オープンクラスのダート戦で長く活躍したリドガイ(1988.3.30)。牝系は、輸入繁殖牝馬ダイヤモンドリング(1960)を日本の基礎牝馬とする21号族。ダイヤモンドリングの仔、ダイヤモンドカップ(1968)の子孫から報知オールスターC、浦和記念等の勝ち馬パワーディクター(1987)、エンプレス杯、ロジータ記念の勝ち馬パワーシャレード(1990)等。ダイヤモンドリングの姉であるクロシェット(1958)は、孫に第56代日本ダービー馬ウィナーズサークル(1986.4.10)を輩出。

本馬の8代残牡先祖数は『20/128』と推定します。残牡先祖数はやや多くなりましたが、5代までのクロスにブルー0は存在せず、Nearco(1935.1.24)はグリーン0により0化されています。父ロドリゴデトリアーノの先祖にBuckpasser(1963)、Crimson Satan(1959)という米国血統馬が存在していますので、残牡先祖数はそれほど気にする必要は無いでしょう。しかしながら、本馬は直父系Northern Dancer(1961.5.27)有数値の牡馬です。統領性という観点からは、歯替わり以後のGIレースでは割り引いて考えなければならないと考えます。2着はあっても、1着まではどうでしょうか。

本馬の4代血統構成を見ると、壱はロドリゴデトリアーノ、弐はハイセイコー(1970.3.6)、参はミンシオ(1957.3.2)、四はSayajirao(1944)です。壱と四はNearco系に属します。壱、四の先祖がともにNearcoの『0の遺伝』を与えているため、クロスの弊害は無く、先祖の数を減らして種の純粋化がなされています。弐はHyperion(1930.4.18)系の種牡馬。同馬は、その父チャイナロック(1953)の16歳時交配による『0の遺伝』を受けた名馬。同馬の代表産駒に第46代日本ダービー馬カツラノハイセイコ(1976.5.13)、皐月賞馬ハクタイセイ(1987.4.17)、エリザベス女王杯馬サンドピアリス(1986.5.17)等。参はMan o'War(1917.3.29)系の種牡馬。リキタイコー(1974)等の父。また、キングジョージVI&クインエリザベス・ダイアモンドS(英GI)の勝ち馬であるMtoto(1983)の母の父としても知られています。

4代血統構成馬の父系分枝状況に目を向けると、
壱  Nearcoの3代孫
弐  Whalebone(1807)の12代孫
参  Man o'War系
四  Nearcoの直仔

壱と四はNearco系の同族圏内馬。弐はHampton(1872)からCamel(1822)、Whaleboneにさかのぼる系統。分枝後12代以上を経ていますのでネオ異系マジックが生じます。さらに、参はMan o'War系で異系マジックが生じます。本馬のマジックは『2』と判断します。ゆえに潜在能力指数は『10』と補正されます。血統構成の良さはピカイチです。さすがは名相馬眼師、岡田繁幸氏です。さらに、本馬は母15歳時交配の生産馬です。母から活性値1.75を受けています。母から直接大きな活性値を受けた馬は、良馬になりうる可能性が大きいと思います。なお、Phalaris(1913)系とHampton系の配合は、『血とコンプレックス』によると、ニックス配合ということです。

本馬の活力の源泉は、4代血統構成の良さ、母の活性値が高い時期の産駒であることの2点と考えます。しかしながら、上で記しましたように直父系Northern Dancer有数値の牡馬であることがネックです。歯替わり以後のレースに注目したいと思います。

本馬の最優性先祖は父ロドリゴデトリアーノ(7歳時交配で活性値1.75)です。形相遺伝はそのままロドリゴデトリアーノと判断します。また、本馬の料的遺伝の値は4.00です。この数値はオープン馬としては小さいですが、平均的な数値です。

[最後に]
札幌3歳S(GIII)における相沢郁厩舎のワンツーフィニッシュ(1着が本馬、2着がジョウテンブレーヴ)は、阪神競馬場のターフビジョンで見ていました。「ウワァ」と思いました。マイネルコンドル、ジョウテンブレーヴともにNorthern Dancer有数値の牡馬ですが、新進気鋭相沢師の見事な相馬、巧みな調教と思いました。マイネル軍団はマイネルビンテージもいますが、マイネルコンドルも頑張って欲しいですね。


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