Home >> B&B >> 第62回オークス出走馬(その4)

第62回オークス出走馬について、中島理論的考察を中心に述べてみたいと思います。その第4回目は出走馬決定順16位の4頭の馬たちです。<初出:2001/05/19>

※先祖馬の生年月日の後にある(  )内の数値は、受け渡した活性値の値を示しています。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
アデレードシチー
栗毛 1998.4.3[F4-M]
13/128
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形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
テスコボーイ(ヤンゲストシチー) 6.25 or 4.25 6番仔
母父 祖母父 曾祖母父
ラムタラ(1.25)
栗毛 1992.2.2
ミルジョージ(0.50)
鹿毛 1975.4.12
アローエクスプレス(0.25)
鹿毛 1967.4.10
テスコボーイ(1.50)
黒鹿毛 1963
祖母 曾祖母 4代母
ヤンゲストシチー(0.75)
鹿毛 1986.5.4
ヤングシチー(2 or 0)
鹿毛 1977.2.19
リンネルンド(1.50)
黒鹿毛 1970.4.1
ジーゲリン(2.00)
鹿毛 1961.4.7

[Notes]
1990年代欧州最強馬ラムタラの直仔が、初めて日本のクラシックレースを走ります。愛娘の名は、アデレードシチー。1800mの500万平場を勝ち上がってのオークス出走となります。

[セールスポイント]
母ヤンゲストシチーも400kgそこそこの小さな馬でしたが、オークス3着(馬体重は402kg)と好走しています。本馬の形相は母と判断しますので、オークスに対する適性はあると考えます。また、本馬の牝系は友駿ホースクラブが誇るジーゲリン系です。遡れば、日本の基礎繁殖牝馬の1頭であるチップトップに行きつく名牝系です。阪神3歳Sの勝ち馬で皐月賞と菊花賞2着のゴールドシチー&京王杯AHの勝ち馬クラウンシチー兄弟も、この系統から輩出されました。

[ウイークポイント]
Nearco4段付け配合。最近はPhalarisの同系配合馬がたくさんGIを制していますが、やはり雑種性を呼び起こすために異系を組み込むべきです。本馬は「女馬」であること、そして4代血統構成の活性値が『1.25、0.50、0.25、1.50』とすべて別数値であることにより好走が可能となっています−サクセスストレインの項と同じ文章でスミマセン−。本馬はオープン競走初出走がこのオークスとなり、初の長距離輸送も経験します。410kg前後の小さな馬だけに馬体減が懸念されますし、「初ものづくし」の今回はどうでしょうか。ちなみに、母はチューリップ賞勝ちの実績がありました。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
サマーキャンドル
鹿毛 1998.3.18[F1-N]
12/128
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Forli
形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
Forli(Irlanda) 3.00 2番仔
母父 祖母父 曾祖母父
シアトルダンサーII(1.25)
鹿毛 1984.4.22
Gulch(1.50)
鹿毛 1984
Tom Rolfe(0.50)
鹿毛 1962.4.14
Forli(1.75-α)
栗毛 1963.8.10
祖母 曾祖母 4代母
ワイプザアイ(1.50)
鹿毛 1991.3.8
Irlanda(0.25)
鹿毛 1981
Continuation(0.25)
栗毛 1971
Continue(1.00)
黒鹿毛 1958.2.23

[Notes]
クロフネとグラスエイコウオーという「フレンチデピュティ丼」に終わったNHKマイルカップで、紅一点の出走ながら3着に入りました。1分33秒6というマイル戦の持ち時計はメンバー最速です、サマーキャンドル。激走から中1週でのオークス出走となります。

[セールスポイント]
5戦目となったNHKマイルカップで3着に入るあたり、タダものではありません。競走センスはとても高いものを持っているのでしょう。血統構成も優秀で、父シアトルダンサーIIはその父Nijinskyが16歳時交配の0遺伝を受けていますし、祖母父Tom Rolfeはネオ異系、曾祖母父Forliは南半球で活性化されたHyperion系です。4代血統構成の最優性先祖もForli(亜ダービー馬)です。

[ウイークポイント]
何と言っても「GIの中1週出走」です。マイルカップでもしっかり先行しての3着だけに、料的遺伝値の総和が『3.00』という弱小な値の本馬が、果たして2400mというクラシックディスタンスを乗り切るだけの体力を残しているかどうかが問題です。持ち合わせている素養はメンバー中でも上位です。が、今回は体力的にややシンドイのではないでしょうか。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
(父)ブライアンハニー
鹿毛 1998.3.20[F1-L]
5/128
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Sallymount
形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
リマンド(ハスキーハニー) 3.25 4番仔(産駒なし後)
母父 祖母父 曾祖母父
ナリタブライアン(1.50)
黒鹿毛 1991.5.3
ノーザンディクテイター(1.00)
鹿毛 1974
リマンド(1.75)
栗毛 1965
Sallymount(0.50)
栗毛 1956
祖母 曾祖母 4代母
ハスキーハニー(0.50)
鹿毛 1987.4.16
クインリマンド(1.25)
栗毛 1973.4.1
イコマエイカン(1.25)
鹿毛 1967.5.18
ヘザーランズ(0.25)
鹿毛 1957

[Notes]
1990年代日本最強馬ナリタブライアンの直仔が、初めてクラシックレースを走ります。愛娘の名は、ブライアンハニー。忘れな草賞1番人気3着から、中5週の間隔を開けてオークスに挑みます。志半ばに倒れていった僚馬アグネスタキオン&アグネスゴールドの分も、府中コースで頑張ります。

[セールスポイント]
非0遺伝を重ねた4代血統構成ながら、巧みな配合の妙により、8代残牡先祖数は『5/128』まで減りました。ナリタブライアンの持つNorthern Dancer、Nasrullah、Teneraniなどの先祖を、クロスによる0化で消却しています。Acropolis(ナリタブライアンの曾祖母父)とAlycidon(祖母父リマンドの直祖父)という全兄弟クロスも、Alycidonの準0化によりキレイに0化されています。また、祖母父リマンドがBirdcatcherの12代孫、曾祖母父SallymountがWhaleboneの12代孫というネオ異系の働きにより、潜在能力は『2.50』という高い数値になりました。能力が開花すれば、オークス制覇も夢ではありません。4代血統構成の最優性先祖である『リマンド』は、チェスターヴァーズという12Fの英GIII(ダービー・トライアル)を勝っています。本馬も2200mの新馬戦、2000mの500万特別を制していますように、距離に対する適性はあると考えます。なお、本馬はアグネスタキオンと同じヘザーランズ〜イコマエイカン系です。

[ウイークポイント]
このオークスが重賞初挑戦となります。オープン、それも最上級のGIレースというのは、ペースの速い遅いに関わらず厳しいものだと思います。資質の高さだけで、果たして乗り切れるかどうか。また、デビュー当時から比べると、少し馬体細化が見られます。長距離輸送で馬体重が減らなければ良いのですが……。

馬名 8代残牡先祖数 潜在能力指数 少ない先祖
モットヒカリヲ
鹿毛 1998.5.19[F14-C]
18/128
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Hugh Lupus
形相の遺伝 料の遺伝 母の何番仔?
アフリート 4.00 2番仔
母父 祖母父 曾祖母父
アフリート(1.25)
栗毛 1984
Theatrical(0.50)
鹿毛 1982.3.13
ピットカーン(1.00)
黒鹿毛 1971
Hugh Lupus(1.00)
鹿毛 1952
祖母 曾祖母 4代母
メロンパン(1.00)
鹿毛 1993.2.19
Border Dawn(2.00)
鹿毛 1976
My Fawn(0.50)
鹿毛 1965
Our Girl(0.50)
鹿毛 1954

[Notes]
福島の500万特別・こけもも賞を勝ち上がってオークスに向かいます、モットヒカリヲ。近年では「エガオヲミセテ」でおなじみの小田切有一オーナーの持ち馬です。所属もエガオヲミセテと同じ音無秀孝厩舎です。そう、1985年のオークスを制したノアノハコブネのコンビが送り出す馬、それが「モットヒカリヲ」。

[セールスポイント]
欧州プロパー血統のピットカーン(英リーディングサイアー)、Hugh Lupus(愛2000ギニー馬)という現代では希少価値の先祖を保有しており、そこにTheatrical、アフリートと主流血脈を重ねてスピードを注入しました。アフリートは米国産、Theatricalとピットカーンは愛国産、Hugh Lupusは仏国産です。色々な場所の血が混ざることは、サラブレッドという「雑種」の生きものにとって良いことです。血統の字面からはしぶとさを感じます。

[ウイークポイント]
既に11戦を経験しており、このオークスが12戦目であること。加えて中1週のローテーション。体力の消耗が心配です。


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