中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1993年編)

(父)トウカイテイオー
  • 鹿毛
  • 1988.4.20生
  • 新冠・長浜牧場生産
  • 馬主・内村正則氏
  • 栗東・松元省一厩舎
トウカイテイオーの4代血統表
シンボリルドルフ
鹿毛 1981.3.13
種付け時活性値:1.50
パーソロン
鹿毛 1960
Milesian
鹿毛 1953
My Babu 1945
Oatflake 1942
Paleo
鹿毛 1953
★Pharis 1936
Calonice 1940
スイートルナ
栗毛 1972.5.4
スピードシンボリ
黒鹿毛 1963.5.3
ロイヤルチャレンヂャー 1951
スイートイン 1958.2.23
ダンスタイム
鹿毛 1957
Palestine 1947
Samaritaine 1949
トウカイナチュラル
鹿毛 1982.5.20
仔受胎時活性値:1.25
ナイスダンサー
鹿毛 1969.3.6
種付け時活性値:1.00
Northern Dancer
鹿毛 1961
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Nice Princess
栗毛 1964
Le Beau Prince 1952
Happy Night 1957
トウカイミドリ
鹿毛 1977.3.20
仔受胎時活性値:1.00
ファバージ
鹿毛 1961.4.19
種付け時活性値:1.75
Princely Gift 1951
Spring Offensive 1943
トウカイクイン
鹿毛 1966.4.17
仔受胎時活性値:0.50
アトランティス
鹿毛 1959
種付け時活性値:1.50
トップリュウ
黒鹿毛 1959.4.1
仔受胎時活性値:1.50
トウカイテイオーの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
シンボリルドルフ
(Djebel系)
ナイスダンサー
(Northern Dancer系)
ファバージ
(Princely Gift系)
アトランティス
(Djebel系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
1.50
(6歳時交配)
1.00
(12歳時交配)
1.75
(15歳時交配)
1.50
(6歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Milesianの孫 Nearcoの3代孫 Nearcoの3代孫 Milesianの仔
トウカイテイオーのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 少ない先祖etc
13/128 E  A  A  E
(0.75)
9.75 父初年度産駒
アトランティス
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
ファバージ
(トウカイナチュラル)
4.25 伯母トウカイローマン
(No.19-B 星友系)
2番仔
(2連産目)

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[Notes]

『天賦の才』トウカイテイオー。前年の有馬記念を1番人気11着と凡走して以来、中363日の長期休養明けながら堂々の有馬記念制覇でした。鞍上の田原成貴騎手は1983年のリードホーユー以来10年ぶりの有馬記念勝ち、管理された松元省一調教師は有馬記念初勝利となりました。父シンボリルドルフとの親仔グランプリ制覇は史上初でした。レースは、単勝1番人気の菊花賞馬ビワハヤヒデが2着、トウカイテイオーと同期のナイスネイチャが3年連続で3着となりました。

豊かな才能を持って生まれたトウカイテイオー。その独特の前脚を高く上げるフォームゆえに、地面を強く蹴ってしまうがゆえに、骨折を繰り返しました。しかし、その不屈の闘志は微塵も衰えることなく、1年ぶりとなったこの有馬記念でも見事に勝利しました。父シンボリルドルフがそうであったように、父の母の父スピードシンボリがそうであったように、強い精神力がこの一族(父方)の持ち味なのでしょう。

トウカイテイオーのダービーまでの戦績は、父シンボリルドルフと同じかそれ以上に完璧なものでした。しかし、悲しいかなトウカイテイオーは、父ほどには体力がありませんでした。中島理論的な解釈をすると、トウカイテイオーの料的遺伝値は「4.25」で、超々一流馬としてはあとひと押し物足りないものでした。一方、シンボリルドルフの料的遺伝値は「6.25」と強大で、さらにその母スイートルナが8歳時に受胎した仔どもでした。トウカイテイオーの孤高の才能に、残念ながら体力がついていかなかった。1番人気に押された1992年の天皇賞・春&天皇賞・秋、そして有馬記念。いずれも体力の弱さを見せつけるレースぶりとなってしまいました。

けれど、その一方で、1992年のジャパンカップやこの有馬記念のように、周囲の期待が自身の能力に見合うほど高くない時に、やすやすと勝利を収めてしまう。奇跡的ではありますが、決して奇跡ではない現実を示したトウカイテイオー。競走馬としての成績は、父に及びませんでした。しかし、彼は、ひとつだけ、間違いなく父より優れた才能を持っていました。それは、「たくさんの人の心を掴む」という才能。それに関してだけは、疑うことなく父よりも優れていました。

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