2004年クラシック世代のGI候補生たち(牝馬編)

(父)ヤマニンシュクル
  • 黒鹿毛
  • 2001.4.1生
  • 静内・ヤマニンベン牧場生産
  • 馬主・土井肇氏
  • 栗東・浅見秀一厩舎
ヤマニンシュクルの4代血統表
トウカイテイオー(JPN)
鹿毛 1988.4.20
種付け時活性値:0.75
シンボリルドルフ(JPN)
鹿毛 1981.3.13
パーソロン(IRE)
鹿毛 1960
Milesian(IRE) 1953
Paleo(FR) 1953
スイートルナ(JPN)
栗毛 1972.5.4
スピードシンボリ(JPN) 1963.5.3
ダンスタイム(GB) 1957
トウカイナチュラル(JPN)
鹿毛 1982.5.20
ナイスダンサー(CAN)
鹿毛 1969.3.6
Northern Dancer(CAN) 1961.5.27
Nice Princess(USA) 1964
トウカイミドリ(JPN)
鹿毛 1977.3.20
ファバージ(GB) 1961
トウカイクイン(JPN) 1966.4.17
ヤマニンジュエリー(JPN)
鹿毛 1991.1.29
仔受胎時活性値:0.25
<不出走>
Nijinsky(CAN)
鹿毛 1967.2.21
種付け時活性値:1.75
Northern Dancer(CAN)
鹿毛 1961
Nearctic(CAN) 1954.2.11
Natalma(USA) 1957
Flaming Page(CAN)
鹿毛 1959.4.24
Bull Page(USA) 1947
Flaring Top(USA) 1947
ティファニーラス(USA)
黒鹿毛 1983.2.28
仔受胎時活性値:1.75
<米8勝。GI2勝>
Bold Forbes(USA)
黒鹿毛 1973
種付け時活性値:0.25
Irish Castle(USA) 1967
Comely Nell(USA) 1962
Sally Stark(GB)
鹿毛 1970
仔受胎時活性値:1.00
<不出走>
Graustark(USA)
栗毛 1963
種付け時活性値:1.50
Sally Ship(USA)
鹿毛 1960
仔受胎時活性値:0.25
<米5勝。現GI2勝>
ヤマニンシュクルの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
トウカイテイオー
(Djebel系)
Nijinsky
(Northern Dancer系)
Bold Forbes
(Bold Ruler系)
Graustark
(Ribot系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.75
(11歳時交配)
1.75
(23歳時交配)
0.25
(9歳時交配)
1.50
(6歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Herod〜Tourbillon系 Nearcoの3代孫 Nearcoの4代孫 Eclipseの16代孫
ヤマニンシュクルのB&B理論的総括
8代残牡先祖数
(7代残牡先祖数)
4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 少ない血etc
13/128
(14/64)
E  A  A  B
(0.50)
6.50 Bold Forbes
Graustrak
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Nijinsky
(Northern Dancer)
3.25 祖母が活躍馬
(No.3-C)
3番仔
(2連産目)

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[Notes]

混戦の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を見事に差し切りました、ヤマニンシュクル。2着にヤマニンアルシオンが入り、いわゆる同馬主&同厩舎丼になりました。

ヤマニンシュクルの配合は、よく知られているブサックのPhalaris系とHerod系の返しニックスです。また、4代血統構成に用いられている父系を見ると、『Djebel系×Northern Dancer系×Bold Ruler系×Ribot系』となり、Herod1系、Phalaris2系、St.Simon1系の組み合わせにより、3種父系のミックスされた良い配合になっています。合わせて、中島理論的には、4代血統構成馬の活性値が全て別数値(0.75、1.75、0.25、1.50)となっていることもプラスですね。

ヤマニンシュクルの最優性先祖は母父Nijinsky、形相の対象はNorthern Dancerと判断しました。Nijinskyは英愛仏で13戦11勝、2着2回。その主な勝ち鞍は英ダービー(現GI)、愛ダービー(現GI)、"キング・ジョージ"(現英GI)、英2000ギニー(現GI)、英セントレジャー(現GI)、デューハーストS(現英GI)など。20世紀最後の英三冠馬になった馬です。道産子のような体型の父Northern Dancerとはまるで似つかないヨーロピアンタイプの体型をしたNijinskyは、種牡馬として主に欧州で重宝されました。その代表産駒には欧州新三冠を制したラムタラ(1992.2.2)、英愛ダービー馬シャーラスタニ(1983.3.27)、英ダービー馬Golden Fleece(1979)、ケンタッキーダービー(米GI)馬ファーディナンド(1983.3.12)、仏ダービー(GI)馬Caerleon(1980.3.27)、"キング・ジョージ"の勝ち馬イルドブルボン(1975.5.23)、英2000ギニー馬Shadeed(1982)、仏2000ギニー(GI)馬Green Dancer(1972)、BCマイル(米GI)馬ロイヤルアカデミー(1987.2.21)、BCスプリント(米GI)馬Dancing Spree(1985)、愛セントレジャー(GI)馬Niniski(1976)、日本の名種牡馬となったマルゼンスキー(1974.5.19)などなど。言わずもがなの、名馬にして名種牡馬です。なお、Nijinsky系は、近年は直父系としてよりも、母方に入って底力を与える役割を果たしています。

ヤマニンシュクルの牝系は、米国で受け継がれている3号族。近親の主な活躍馬には、まず祖母ティファニーラス。同牝馬は米国で10戦8勝。ケンタッキー・オークス(GI)、ファンタジーS(GI)、フェアグラウンズ・オークス(GIII)と重賞3勝を挙げ、米3歳牝馬王者に選出されました。繁殖牝馬として日本に導入され、クローバー賞(OP)の勝ち馬ヤマニンアリーナ(1992.4.14)、ききょうS(OP)の勝ち馬ヤマニンイデアル(1999.5.9)等を送り込んでいます。また、曾祖母Sally Starkは不出走ですが、繁殖牝馬として能力を発揮しました。ティファニーラスの7歳年上の半兄Valdez(1976)は、スワップスS(米GI)など重賞5勝を挙げ、種牡馬として供用されました。ティファニーラスの1歳年上の半姉バッフドオレンジ(1982.3.15)は日本に輸入され、札幌3歳S(GIII)を勝ったメローフルーツ(1991.3.18)、オークストライアル(GII)など重賞3勝を挙げたオレンジピール(1994.3.15)を輩出しています。近親馬の活躍時期を見ると、母系は「やや早生」という印象を受けます。

トウカイテイオーの娘、本格派の血統構成からクラシックでも頑張ってくれるでしょう。ぜひぜひ応援したい馬ですね。

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