中島理論で見るGIレースの勝ち馬(1996年編)

(外)タイキフォーチュン
  • 鹿毛
  • 1993.2.9生
  • 米国・タイキファーム生産
  • 馬主・(有)大樹ファーム
  • 美浦・高橋祥泰厩舎
タイキフォーチュンの4代血統表

シアトルダンサーII
鹿毛 1984.4.22
種付け時活性値:0.00

Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Flaming Page
鹿毛 1959.4.24
Bull Page 1947
Almahmoud 1947
My Charmer
鹿毛 1969.3.25
Poker
鹿毛 1963.3.20
★Round Table 1954.4.6
Glamour 1953.4.2
Fair Charmer
栗毛 1959.2.3
Jet Action 1951
Myrtle Charm 1946
Patently Clear(USA)
鹿毛 1988
仔受胎時活性値:1.00
<愛米3勝>
[母の2番仔]
Miswaki
栗毛 1978
種付け時活性値:0.25
Mr.Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961
Gold Digger 1962
Hopespringseternal
栗毛 1971
Buckpasser 1963.4.28
Rose Bower 1958
Badge of Courage(USA)
鹿毛 1983
仔受胎時活性値:1.00
<不出走>
[母が2年連続不受胎後の8番仔]
Well Decorated
黒鹿毛 1978
種付け時活性値:1.00
Raja Baba 1968
Paris Breeze 1971
Tamerett(USA)
黒鹿毛 1962
仔受胎時活性値:1.00
<米4勝>
Tim Tam
黒鹿毛 1955
種付け時活性値:1.50
Mixed Marriage
鹿毛 1952
仔受胎時活性値:0.25
タイキフォーチュンの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
シアトルダンサーII
(Northern Dancer系)
Miswaki
(Mr.Prospector系)
Well Decorated
(Bold Ruler系)
Tim Tam
(Tom Fool系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.00
(8歳時交配)
0.25
(9歳時交配)
1.00
(4歳時交配)
1.50
(6歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Nearcoの4代孫 Phalarisの7代孫 Nearcoの4代孫 Phalarisの4代孫
タイキフォーチュンのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 少ない先祖etc
7/128 A  x  A  y
(0.33)
2.31 Tim Tam
Northern Dancer0化
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Tim Tam
(Gaga)
3.25 Known Factと同牝系
(No.2-F)
初仔

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[Notes]

『初代王者』タイキフォーチュン。内国産馬も出走することは出来ますが、実際には外国産3歳馬のためのGIレースであるNHKマイルカップ。府中の芝1600mで行われるこのレースの、栄えある第1回勝ち馬となったのは、誕生日が出走馬中5番目に早い2月9日生まれの米国産馬タイキフォーチュンでした。レースは前半の800mが45秒1、1000mの通過が56秒7で流れるという超ハイペース。この乱ペースでは先行馬たちが粘れるはずもなく、好位差しに出たタイキフォーチュンが直線で力強く抜け出してきました。青の帽子に「緑、白星散、袖白縦縞」の勝負服を鞍上に、緑のシャドーロールの鹿毛馬が、全身を一杯に使って府中のマイル戦を先頭で駆けました。勝ち時計は、3歳春のサラブレッドとしては驚異的な1分32秒6。オグリキャップのコースレコードに0秒2差という好時計でした。タイキフォーチュンの鞍上は柴田義臣騎手。これで府中のGI3勝目となりました。所属は美浦・高橋祥泰(よしやす)厩舎、オーナーは(株)大樹ファーム、生産は米国・タイキファーム。この3者ともにGI初制覇となりました。なお、レースの2着には1月22日生まれのツクバシンフォニー、3着には3月25日生まれのゼネラリストが入りました。1番人気に押された4月13日生まれのファビラスラフインは14着に敗れてしまいました。

タイキフォーチュンの4代血統構成は、『Northern Dancer系×Mr.Prospector系×Bold Ruler系×Tom Fool系』となります。4系いずれもPhalaris分枝系となります。やや一本調子な配合ですが、4代血統構成馬の活性値がそれぞれ『0.00、0.25、1.00、1.50』と別数値にあることにより、近親性の弊害を小さくして知的素質の向上を図っています。

さて、ここで問題となるのは、タイキフォーチュンが父シアトルダンサーIIから受けた活性値が『0.00 or 2.00』のどちらであるかということです。父シアトルダンサーIIは1984年4月22日生まれです。一方、タイキフォーチュンは先述の通り1993年2月9日生まれです。ゆえに、タイキフォーチュンの母Patently Clearに対する推定種付け日は1992年3月9日となります。この時、すでにシアトルダンサーIIの活性値が最低値の0.00に戻っていたのか、それとも最高値の2.00のままだったのか……。

『8代残牡先祖数理論』的には、もし活性値2.00だったとしても、『8/128』となって『7/128』と大差はありません。父シアトルダンサーII自身がその父Nijinsky−同馬は1967年2月21日生まれ−の16歳時交配による0遺伝馬であることにより、多数の先祖が減るからです。ただし、形相遺伝的には大きく変化します。もし活性値が2.00ならば、タイキフォーチュンの最優性先祖はもちろん父シアトルダンサーIIとなり、形相は父母My Charmerとなります。

↓タイキフォーチュンの近親牝系図を示しておきます。

Mixed Marriage 1952
|エタン 1961 1勝
|Tamerett 1962 米4勝
||Temtam 1969 米11勝 ユナイテッド・ネイションズH(GI)など重賞5勝
||Terete 1972 米6勝 シネマH(GII) 
||Taminette 1973 米2勝
|||Tappiano 1984 スピナウェイS(米GI)など重賞8勝
|||エーピージェット 1989 京成杯(GIII) 米国で種牡馬入り
||Known Fact 1977 英仏5勝 英2000ギニー(GI)など重賞4勝
||Secrettame 1978 米6勝
|||Gone West 1984 米6勝 ドワイヤーH(GIなど重賞3勝
|||Lion Cavern 1989 英仏米5勝 トゥルーノースH(米GII)など重賞3勝
||Badge of Courage 1983 不出走
|||Patently Clear 1988 愛米3勝
||||タイキフォーチュン 1993.2.9 4勝 NHKマイルカップ(GI) 毎日杯(GIII)
||||タイキダイヤ 1996.4.1 クリスタルカップ(GIII) 
|||True Hero 1990 英2勝 クラシック・トライアルS(GIII)

[参考]

第1回NHKマイルカップ出走全馬の誕生日。

1月生まれ
(外)キングオブケン(1月16日)、(外)ツクバシンフォニー(1月22日)
2月生まれ
(外)シロヤマボールド(2月5日)、(外)ヤシマキャプテン(2月7日)、(外)タイキフォーチュン(2月9日)、(外)ヒシナタリー(2月16日)
3月生まれ
(外)スキーミュージック(3月1日)、ワイルドバッハ(3月15日)、(外)エイシンガイモン(3月22日)、(外)ゼネラリスト(3月25日)
4月生まれ
(外)ファビラスラフイン(4月13日)、(外)ルグリエール(4月18日)、(外)スギノハヤカゼ(4月21日)
5月生まれ
プラウドマン(5月2日)、ロックホルト(5月4日)、(外)セイントリファール(5月5日)、(外)ユノペンタゴン(5月14日)
6月生まれ
バンブーピノ(6月1日)

1、2月生まれを合わせると6頭いることが分かります。それらはすべて外国産馬です。単純に「仕上がり早」ということではなく、外国では繁殖シーズンが日本より長いということの現れですね。日本では通常「3月10日〜7月10日の4ヶ月間」が種付け期間ということです。

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