2003年クラシック世代のGI候補生たち(牝馬編)

(父)(抽)シンコールビー
  • 青鹿毛
  • 2000.3.19生
  • 三石・三石橋本牧場生産
  • 馬主・豊原正嗣氏
  • 栗東・湯窪幸雄厩舎
シンコールビーの4代血統表

サクラローレル
栃栗毛 1991.5.8
種付け時活性値:0.00
Rainbow Quest
鹿毛 1981
Blushing Groom
栗毛 1974
Red God 1954
Runaway Bride 1962
I Will Follow
鹿毛 1975
Herbager 1956
Where You Lead 1970
ローラローラ
栗毛 1985.3.23
Saint Cyrien
鹿毛 1980
Luthier 1965
Sevres 1974
Bold Lady
栗毛 1974
ボールドラッドUSA 1962.4.23
Tredam 1966
ダズリンデセプション
青毛 1989.2.19
仔受胎時活性値:0.50
<米1勝>
Storm Cat
鹿毛 1983
種付け時活性値:1.25
Storm Bird
鹿毛 1978.4.19
Northern Dancer 1961.5.27
South Ocean 1967
Terlingua
栗毛 1976
Secretariat 1970.3.30
Crimson Saint 1969
Gladiolus
栗毛 1974
仔受胎時活性値:1.50
<米17勝。GIII1勝>
Watch Your Step
1956
種付け時活性値:0.25
Citation 1945.4.11
Stepwisely 1941 ♀
Back Britches
栗毛 1964
仔受胎時活性値:0.25
<米5勝>
Carry Back
鹿毛 1958
種付け時活性値:1.25
Foxbritches
鹿毛 1958
仔受胎時活性値:1.25
シンコールビーの4代血統構成&4代父系の活性値&4代父系の分枝状況
母父 祖母父 曾祖母父
サクラローレル
(Red God系)
Storm Cat
(Northern Dancer系)
Watch Your Step
(Teddy系)
Carry Back
(Himyar系)
父の活性値 母父の活性値 祖母父の活性値 曾祖母父の活性値
0.00
(8歳時交配)
1.25
(5歳時交配)
0.25
(17歳時交配)
1.25
(5歳時交配)
父の分枝状況 母父の分枝状況 祖母父の分枝状況 曾祖母父の分枝状況
Nearcoの5代孫 Nearcoの4代孫 Bend Orの9代孫 Whaleboneの14代孫
シンコールビーのB&B理論的総括
8代残牡先祖数 4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 少ない血etc
7/128 A  A  A  z
(0.66)
4.62 Watch Your Step
Carry Back
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Storm Cat
(Bold Ruler)
3.50 祖母が活躍馬
(No.23-B)
7番仔
(4連産目)

潜在能力値は数値が少ないほど大きいことを示しています。

[Notes]

単勝14番人気をはね返して、リニューアル府中の芝2000m重賞最初の勝ち馬となりました、シンコールビー。

いつもながらの「後付け確認」になるのですが(苦笑)、シンコールビーは父サクラローレルが8歳時交配の0遺伝馬となります。しかも、Northern Dancer&Native Dancerが0化処理された血統構成に、祖母父と曾祖母父のマイナーさ。走る要素は満載ですが、近走成績いまひとつの1勝馬というところが、まったくの盲点ではありました。中島理論的良馬の特徴の1つとして、「格上挑戦となった場合でも、格負けせずに走ることできる」ということが言えます。中島理論的良馬は、周りの馬があまり持っていない血を持ち合わせていることが多いので、種の保存争いがし烈になる上級条件において、優位に立つことができるのでしょう。また、中島理論的な配合面の特徴をもう1つ付け加えると、シンコールビーはStepwiselyという牝馬のクロスを7×4で持ち合わせています。母父Storm Catの曾祖母父であるBolero(1946)と、シンコールビーの祖母父Watch Your Stepが半兄弟となり、このクロスが導出されました。

シンコールビーの最優性先祖は母父Storm Cat、形相の対象はStorm Catの母父であるSecretariatの父Bold Ruler(1954.4.6)と判断しました。Storm Catは現役時代に米国で8戦4勝。その主な勝ち鞍にヤングアメリカS(GI、ダート8.5F)があります。種牡馬としての代表産駒には、2000年の欧米マイル〜中距離路線でGI5連勝という鬼の活躍をしたGiant's Causeway(1997.2.14)、プリークネスS(米GI)とベルモントS(米GI)のニ冠を制したタバスコキャット(1991.4.15)、BCクラシック(米GI)の勝ち馬Cat Thief(1996)、BCスプリント(米GI)の勝ち馬Desert Stormer(1990.2.25)、愛2000ギニー(GI)馬Black Minnaloushe(1998)、ケンタッキーオークス(米GI)の勝ち馬Sardula(1991)、エイコーンS(米GI)などGI7勝のSharp Cat(1994)、同じくエイコーンSの勝ち馬Finder's Fee(1997)、サセックスS(英GI)の勝ち馬Aljabr(1996)、コロネーションS(英GI)の勝ち馬Sophisticat(1999)、アラバマS(米GI)の勝ち馬November Snow(1989)、テストS(米GI)の勝ち馬Missed the Storm(1990)、ラフィアンH(米GI)の勝ち馬Catinca(1995)、キングズビショップS(米GI)の勝ち馬Forestry(1996)、BCジュヴェナイル・フィリーズ(米GI)を制した名血Storm Flag Flying(2000)、グランクリテリウム(仏GI)の勝ち馬Hold That Tiger(2000)、ハリウッドフューチュリティ(米GI)の勝ち馬Tactical Cat(1996)、フリゼットS(米GI)の勝ち馬Raging Fever(1998)、ホープフルS(米GI)の勝ち馬High Yield(1997)、同じくホープフルSの勝ち馬で輸入種牡馬のヘネシー(1993.3.25)などがいます。「Storm Birdを通したNorthern Dancer系は、ミニモの遺伝を持ち合わせている」と考えられているのか、海外では重宝されていることが伺えます。また、日本で走った産駒には、さきたま杯(統一GIII)の勝ち馬ゲイリーイグリット(1995.5.14)、葵S(OP)の勝ち馬スタープログラマー(1994.2.21)、阪神3歳牝馬S(現阪神JF、GI)3着のスーパードレス(1994.4.1)などがいます。

シンコールビーの牝系は、米国で受け継がれている23号族。近親の主な活躍馬は、祖母Gladiolus。同牝馬はインターボロー・バドワイザーブリーダーズH(米GIII)というレースを制しています。地味に世代交代がなされてきた牝系ですが、欧州血脈を持つサクラローレルとの出会いにより、新たな息吹を吹き込まれたという感じですね。

勇躍乗り込むオークスで果たしてどのような結果を残せるのでしょうか。シンコールビー、血統面からは楽しみにしたい1頭です。

[2003年クラシック世代のGI候補生たち(牝馬編)]  目次へ戻る

2000〜2008  オオハシ  colorfulmelody.nakajima@gmail.com