サイコーキララ  [ Home >> B&B >> 2000年クラシック牝馬編 ]

2000年のクラシック候補生たちを中島理論的に分析していこうという企画です。
第2回目の今回はエルフィンS、紅梅Sの勝ち馬、サイコーキララ号を分析してみましょう。

以下の文章中、サイコーキララは本馬と称します。4代血統構成において父は壱、母父は弐、祖母父は参、曾祖母父は四と表します。


サイコーキララ   牝   黒鹿毛   1997.5.1生   栗東・浜田光正厩舎   Family No.16-A

[戦績]
桜花賞トライアル・報知杯4歳牝馬特別(GII)1着、エルフィンS(OP)1着、紅梅S(OP)1着。4月3日の時点で4戦4勝。

[血統]
父はリンドシェーバー(1988.3.3)。朝日杯3歳S(GI)1着、弥生賞(GII)2着、函館3歳S(GIII)2着等(通算6戦4勝、2着2回)。本馬は父の5年度産駒となります。父の他の活躍馬に、初年度産駒でクイーンS(GIII)勝ちのレインボークイーン(1993.5.12)、アルゼンチン共和国杯(GII)2着のエーピーランド(1993.4.18)等がいます。

母はサイコーロマン(1982.6.13)。現役時代は26戦5勝。仔と同じく、浜田光正厩舎に所属していました。浜田調教師のお話によると、本馬の曾祖母であるサイビレディ(1967)からこの牝系に携わっていらっしゃるそうで、浜田厩舎ゆかりの血統ということです。牝系は、名牝Friar's Daughter(1921)の曾孫に当たるワラバ(1959)を日本の牝系祖とする系統。本馬の兄に、中日スポーツ賞3歳S(GIII)3着のサイコーデボネア(1995.5.11)がいます。ワラバの別の分枝からは、朝日CC(GIII)勝ちのシンカイウン(1992.3.16)が出ました。ちなみに、キョウエイプロミス(1977.4.14)、サクラトウコウ(1981.3.11)、サクラチヨノオー(1985.2.19)、サクラホクトオー(1986.4.3)、シャダイカグラ(1986.3.23)、イブキニュースター(1992.5.25)、オースミブライト(1996.4.10)等もFriar's Daughterを牝系祖とする別系統馬です。

本馬の8代残牡先祖数は『6/128』と推定します。4代血統構成を見ると、壱はリンドシェーバー、弐はモーニングフローリック(1975)、参はセントクレスピン(1956)、四はアポッスル(1957)です。本馬の生年月日(1997.5.1)と壱の生年月日(1988.3.3)とを照らし合わせると、本馬は間違い無く『0の遺伝(8歳時交配)』を受けているものと思います。さらに、参も本馬の祖母サイコーハッピー(1973)に対して『0の遺伝(16歳時交配)』を与えていると思います。ゆえに本馬の8代に残る牡先祖数は6頭という少ない数になりました。

4代血統構成馬の父系分枝状況に目を向けると、
壱  Phalaris(1913)の7代孫  (Whalebone(1807)の17代孫)
弐  Bay Ronald(1893)の8代孫  (Whaleboneの14代孫)
参  Bay Ronaldの5代孫  (Whaleboneの11代孫)
四  Phalarisの3代孫  (Whaleboneの13代孫)

Phalaris系馬×2、Bay Ronald系馬×2の血統構成です。ゆえに異系マジックはありません()。本馬の潜在能力指数は『6』のままです。なお、本馬の血統構成中にNorthern Dancer(1961.5.27)の姿はありません。Native Dancer(1950.3.27)は直父系の『0の遺伝』により0化しています。さらに、Phalaris系とHampton(1872、Bay Ronaldの父)系の配合は、『血とコンプレックス』によると、ニックス配合ということです。

本馬の活力の源泉は、父より受けた『0の遺伝』、血統構成(Northern Dancerを持たないこと、およびニックス配合)にあると思います。

本馬の最優性先祖は母父モーニングフローリック(6歳時交配で活性値1.50)です。形相遺伝はモーニングフローリック内のTime to Dine(1944、牝馬)と判断します。Herbager(1956)系は本格派のステイヤータイプが多いのですが、Grey Dawn(1962)を経た米国産モーニングフローリックは短距離を得意とし、産駒もバンブーメモリー(1985.5.14)、キングフローリック(1983.4.5)等に代表されるように短距離馬が多いです。アメリカンタイプの『形』が出ていますので、おそらく小回りコースをより得意にすると思います(本馬の骨量豊かな馬体からも、アメリカンタイプの競走馬であると考えます)。また、本馬の料的遺伝の値は4.50(あるいは6.50)です。本馬の母サイコーロマン(1982.6.13)は、祖母サイコーハッピー(1973)の8歳時交配の産駒です。活性値の受け渡しが『0.00』で行われたか『2.00』で行われたかは定かではありません。いちおう少なく見積もっておいて、料的遺伝の値が4.50でもオープン馬の平均クラスにあります。

[最後に]
中島氏は『競馬最強の法則』誌、1999年2月号、P84におけるレイズアネイティヴ系の種牡馬解説、リンドシェーバーの項で以下のように述べられていました。

「1997年度産駒は0の遺伝を受けており、今後、良馬の出現が予想される。」

うーん、おっしゃる通り良馬が輩出されましたね。

浜田厩舎の牝馬の活躍馬と言えば、ニ冠牝馬ファレノプシス(1995.4.4)が思い出されます。浜田調教師の心積もりによると「この馬(サイコーキララ)の鞍上は石山(繁騎手)で行く」ということですので、石山騎手には2年前の悔しさをバネにぜひ頑張って欲しいと思います。

[追記]
桜花賞トライアルも完勝でした。うーん、強い。不安点と言えば、杉本清さんが本命候補にしていることだけでしょうか(すみません、杉本さん)。−2000年4月3日、追記−

このB&Bの企画は、サイコーキララがいたから始まったといっても過言ではありません。春は圧倒的な1番人気に押された桜花賞が4着、巻き返しを図ったオークスでは発走直後に落鉄して6着……。石山繁騎手の「若さ」ばかりがマスコミに叩かれることとなりましたが、秋は馬も騎手もパワーアップして「キララ&石山」のコンビでGI制覇を成し遂げてください。−2000年7月1日、追記−


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